1998/2(平成10年) 別れと孤独++
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PD発病前から付き合っていた彼氏とついに別れの時が来た。
PDにかかって以来、私にとっての心の拠り所は彼だけだった。
その時かなり彼に依存していた自分に気がついた。
そんな私が重荷になったのかもしれない。

唯一心の支えだった彼さえもいなくなって、自分はひとりぼっちになってしまった。
仕事も出来ない、気晴らしにパーッと友達と遊びに行く事も出来ない。
情けない。
こんな自分が生きてるというのがとても無意味な事に思えてきた。
何度も死のうと思った。

私は車を走らせ、1人真冬の海へ向かった。
きれいな夕日が沈むまで、そこで何時間もボーッと海を眺めていた。
それからの数日間は何をやっていたのかあまり記憶にない。


1998/4(平成10年) あるサッカー選手との出会い++
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その日たまたまテレビでやっていた、地元チームであるコンサドーレ札幌の試合を何気に観ていた。
ふと、ブラウン管の中で走り続ける1人の選手に、私の視点は釘付けになった。
その日をきっかけに、みるみる勢いで彼の魅力に引き込まれていった。

次第に「一目会いたい」そう願うようになり、願望がだんだんと強くなっていった為に、 のちにこの1人のサッカー選手によって、私の広場恐怖が大幅に克服されるという、自分にとってかけがえの ない存在になっていくとはこの時はまだ知る由もなかった。


1998/11(平成10年) 初めての対面++
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ずっと待ち焦がれていた日がついにやってきた。
自分の行動半径外にあったコンサドーレの練習場にずっと頭を悩ませていたが、ついに願望が予期不安に 勝つ事が出来たのだ。

初めての練習見学。
初めて生で見る選手達。
予期不安と緊張と達成感…いろんな感情が入り乱れていた。
選手達は練習後、必ずファンサービスをして帰っていく。
その情報を事前に下調べしていたので、手紙とプレゼントを持参していた。

ついに大好きな選手と目と目を合わせられる時が来た。
握手と写真をゲットし、全ての目標を果たしてグラウンドを後にした。

その日は嬉しさからか、寝付くまで興奮が冷めやらなかった。
その翌年は、30回以上リハビリも兼ねて見学に行く事が出来た。