患者との接し方++
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PD患者を持つ身近な方は患者と同じ様に戸惑い、辛い思いもするものですよね?
どう接して良いのかわからない事も多いでしょう。

そんな身近な方のために、接し方のポイントをいくつかご紹介します。


叱咤激励は厳禁++
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まず第一に、基本的には患者に対しての「叱咤激励」の言葉は禁句です。
「甘えてるだけだ」「もっと頑張れ」などの言葉は厳禁です。
患者は甘えてるわけでも怠けているわけでもありません。
むしろ責任感が強く、几帳面であったり神経質な患者が多いようです。

中には患者が怠けているようにしか見えず、仕事が出来ない・学校へ行けない・家事が出来ない等の姿を見て 嫌悪感を感じてしまう時があるかもしれません。
しかしついその部分だけを捉えられがちですが、患者は自分がやるべき事のみがままならないのではなく、 ストレス発散の為に、遊びの為に、外出をすることさえままならないのです。

ストレス発散の為に外出したつもりが、かえってストレスを抱えて帰宅してしまう…という日も珍しくありません。

PDは「鬱」症状が合併して起こりやすい為、特に鬱症状が現れてる時に叱咤激励の言葉をかけてしまうと、 患者は「今でさえ頑張って走り続けてるのにまだこれ以上走らせるというのか」と、さらに鬱思考に拍車をかけ、 脳へ危険信号を送ってしまいます。


強制・拘束な状況はなるべく控える++
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第二に、患者をせかすなど、強制したり拘束する様な言動や行動は控えることがポイントです。
患者は、今まで当たり前に出来ていたことが突然出来なくなってしまい、それを少しでも早く取り戻そうと 毎日のように、焦りやプレッシャーを抱えがちです。
そんな時に、それにさらに追い討ちをかけるような言葉をかけてしまうと、悪循環を繰り返すだけではなく、 鬱症状がさらに悪化してしまう…という事態を招きかねないのです。

患者は健康である人が感じるストレスを常に数倍感じています。
例えば道路なんかで渋滞に巻き込まれた時、普通なら「早く進まないかな」程度に収まるものが、PD患者の場合 「このままここに居たら発作を起こすかもしれない」「ここからもう抜け出す事は出来ないのか?!」等、次々に脳に 危険信号を送ってしまうのです。
通常ではなかなか理解しがたい思考ですが、患者はそれほど敏感になっているのです。

「こんなことも出来ないのか」や「まだ治らないのか」などとつい感じてしまうこともあるかもしれません。
しかしそれは思っていても決して口には出さないで下さい。
それを一番身に染みて感じているのは、他ならぬ患者本人だからです。


過剰な気遣いは逆効果++
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第三に、患者に対してあまり神経質になって気を使い過ぎるのも、逆に患者に対して病の症状を意識させてしまいます。
普段はいつも通りに接し、SOSがあった場合には手助けする…これが結構ポイントだったりします。

例えば患者があなたの傍でパニック発作を起こしてしまった時、突然のことでビックリしてしまうかもしれません。
しかしそこであなたまでもが動揺し慌ててしまうと、不安や恐怖を助長しかねません。
発作自体は長くても数十分経てば次第に落ち着いてきます。
たとえ発作を起こしていても患者の手を握ってあげたり、「大丈夫だよ」と一言声をかけてあげるなど 冷静に対処してあげて下さい。


最後に++
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これらのことを読んでみて、当事者じゃない方にとってはPDとはなかなか理解しがたい病に感じてしまうかも しれませんが、暖かく長い目で見守ってあげる事が何より患者にとって安心出来る環境だと思います。

患者達は、日常生活で普通に出来ていた事がまるで赤ん坊のように一瞬にして出来ない状態に陥ってしまいます。
その為、どんな些細な事をやる時でも常に「予期不安」「広場恐怖」がつきまとい、ストレスや プレッシャーを感じてしまいます。

全てを理解してはあげられなくとも、理解してあげようとすることは出来るはずです。
どうか、長い目で暖かく見守ってあげて下さい。

冒頭でも述べたように、身近にPD患者を持つ方々も、患者と同様に戸惑ったり悩んだり…という事が 度々あることと思います。
だからこそ、患者とその身近な人間は、互いに思いやる気持ちを持つことが大切だと思います。

患者だからといって、何をしても許されるものではありません。
ですから、何かの問題につまづいた時、その都度その都度お互いがわかりあえるようじっくりと話し合って解決し、 お互いを理解しあえることが大切だと思っています。

日頃患者に接している方々も、時には精神的な疲労を伴う時もあると思います。
そんな時は、どうぞ遠慮せずにBBSなどへご参加下さい(^^)